樹海雲の上で
「樹海雲」と呼ばれる不思議な世界がある。
樹海雲は星をぐるりと回る空に浮く巨大な樹海。
場所は重力と斥力の中間にあるものと思って欲しい。
なので、落ちてきそうで落ちてこない。
地上からは雲のように見えるらしいが、あまりにも遠くてよく晴れていないと「影」が見えない。
樹上は一面霞みかかった様な足場の見えにくいジャングルみたいな感じ。
足を踏み外して落ちると思われがちだが、樹海雲は多重積層構造体なため、本当に運が悪い場合ぐらいしか落ちない。
昔の人は地図を記そうとしたのだが、成長老化を繰り返すため正確な形状は維持していない。
縁を歩いたところ規則性のある形状らしく、幾何数学的な用語を用い、「フラクタルクラウド」と名づけたらしい。
それがいつの間にやら「ふらくたる」と略されて・・・。
歩み始めて今年で500年ぐらいかな?そんな私は今日も延々と続く「ふらくたる」を歩むのであった。